それから命くんに連れられやって来たのは、駅近にある"寿々園"という焼肉店だった。
個室があるちょっと高そうな印象のある焼肉店。
個室に案内され、席につくと命くんは「さぁ、好きなもの食べてください!ここは俺が出しますんで!」と言った。
「えっ!いやいや!わたしも出すよ!」
「いーや!俺が出します!ちょっとくらいかっこつけさせてくださいよ〜!」
そう言いながらメニュー表を開き、「ここのサガリめっちゃ旨いですよ!」と話す命くん。
(かっこつけさせてくださいって···、もう充分かっこいいよ。)
そんな事を思いながら、命くんのオススメのメニューを頼んでいく。
そして、わたしたちは生ビールとレモンハイで「お疲れ様ー!」と乾杯をした。
「ぷあ〜っ!仕事後のビール最高!」
「命くんは普段から結構お酒飲むの?」
「まぁ、飲む時は飲みますね。大体、メンバーとくらいしか飲まないですけど!」
美味しそうに生ビールを飲む命くんの姿に、こちらまでスカッとした気分になる。
お肉が運ばれて来ると、命くんがトングを持ち、次々と積極的に焼いてくれた。
「さぁ、たくさん食べてくださいね〜!」
「ありがとう!いただきまーす!」
そう言って、命くんが焼いてくれたサガリを寿々園特製ダレをつけて口の中へと運ぶ。
すると、分厚いはずのサガリのあまりの柔らかさにわたしは感動した。
「んー!めちゃくちゃ柔らかい!」
「でしょ?!ここのサガリ、マジやばいんすよ!」
「特製ダレも美味しいね!」
そう言いながらお肉を食べていると、ふと命くんの視線がわたしに向いている事に気付き、恥ずかしくなる。
命くんは「麗月さんって、美味しそうに食べますね!連れて来て良かった!」と言い、ニッと笑ってお肉を焼き続けていた。



