その日、鬼千会の幹部一同を集めての小さな結婚式が行われた。
母も来ることは無かった。
親類などとてもじゃ無い。
だけど、それでも良かった。
この人と…
添い遂げる、とそう決めたから。
そして、結婚式での燐牙さんのスピーチが始まった。
燐牙さんは一度咳払いして、少し視線を泳がせてから、こう言う。
「……えー……
こういうの、正直得意じゃねぇ。
綺麗な言葉とか、立派な挨拶とか、
俺にはできねぇから……
短く言う。」
少し間を置いて、私を見る。
「俺は、ろくでもねぇ男だ。
血の匂いのする世界で生きてきたし、
これからも、きっと真っ当には生きられねぇ。」
会場が静まり返る。
「それでも……
この女だけは、絶対に泣かせねぇって決めた。」
拳をぎゅっと握る。
「幸せにする、なんて綺麗事は言わねぇ。
楽な道も、明るい未来も、約束できねぇ。」
一瞬、声が低くなる。
「でもな。
どんな地獄でも、一人では歩かせねぇ。
危ない時は俺が前に立つ。
逃げる時は最後まで一緒だ。」
私の方を、はっきりと見る。
「笑ってる時も、泣いてる時も、
全部俺の女だ。」
少し照れたように目を逸らしながら、
「……一生、隣にいさせてくれ。」
深く頭を下げる。
「梨紗。
俺の嫁になってくれて、ありがとう。」
会場は静まり返り…
そして、どっと湧くような歓声が起きた。
みな、燐牙さんと私に向けて惜しみない拍手を送っている。
この人で本当に良かった…
そう思った。
キャンドルに共同で火を灯し、ケーキにナイフを入れて…
極道の結婚式は至極まともに終わっていった。
♦︎♦︎♦︎
「あー!
疲れたな!」
燐牙さんがシルバーのネクタイを緩めながらそう言った。
「そうだね。
でも、楽しかったよ。」
私は微笑みそう答えた。
「そうか…」
「燐牙さんのスピーチ…
ううん、何でもない。」
素敵だった、その言葉は言わない方が良い。
そんな気がして引っ込めた。
「分かってるさ。」
燐牙さんは微笑んだ。
「うん。
あのね…」
「なんだよ?」
「ボ、ボーナスとして、1000点あげます!」
「お前さぁ…
抱いて欲しいなら、素直に…」
「あ、そんなこと言うならあげません!」
「あ、うそ、欲しいです!
ください!」
燐牙さんは頭を下げて頼み込み始める。
そんなコントみたいなやり取りをしながら、私たちの甘いあまーい、夜は更けていく。
そして、これからも、ずっと繰り返していく。
燐牙さんは私の身体を宝物のように優しく扱う。
私は燐牙さんの指先や舌先に感じて、熱のこもった声をあげていく。
それを塞ぐように燐牙さんがキスで唇を覆った。
ハッピーウェディング…♡
母も来ることは無かった。
親類などとてもじゃ無い。
だけど、それでも良かった。
この人と…
添い遂げる、とそう決めたから。
そして、結婚式での燐牙さんのスピーチが始まった。
燐牙さんは一度咳払いして、少し視線を泳がせてから、こう言う。
「……えー……
こういうの、正直得意じゃねぇ。
綺麗な言葉とか、立派な挨拶とか、
俺にはできねぇから……
短く言う。」
少し間を置いて、私を見る。
「俺は、ろくでもねぇ男だ。
血の匂いのする世界で生きてきたし、
これからも、きっと真っ当には生きられねぇ。」
会場が静まり返る。
「それでも……
この女だけは、絶対に泣かせねぇって決めた。」
拳をぎゅっと握る。
「幸せにする、なんて綺麗事は言わねぇ。
楽な道も、明るい未来も、約束できねぇ。」
一瞬、声が低くなる。
「でもな。
どんな地獄でも、一人では歩かせねぇ。
危ない時は俺が前に立つ。
逃げる時は最後まで一緒だ。」
私の方を、はっきりと見る。
「笑ってる時も、泣いてる時も、
全部俺の女だ。」
少し照れたように目を逸らしながら、
「……一生、隣にいさせてくれ。」
深く頭を下げる。
「梨紗。
俺の嫁になってくれて、ありがとう。」
会場は静まり返り…
そして、どっと湧くような歓声が起きた。
みな、燐牙さんと私に向けて惜しみない拍手を送っている。
この人で本当に良かった…
そう思った。
キャンドルに共同で火を灯し、ケーキにナイフを入れて…
極道の結婚式は至極まともに終わっていった。
♦︎♦︎♦︎
「あー!
疲れたな!」
燐牙さんがシルバーのネクタイを緩めながらそう言った。
「そうだね。
でも、楽しかったよ。」
私は微笑みそう答えた。
「そうか…」
「燐牙さんのスピーチ…
ううん、何でもない。」
素敵だった、その言葉は言わない方が良い。
そんな気がして引っ込めた。
「分かってるさ。」
燐牙さんは微笑んだ。
「うん。
あのね…」
「なんだよ?」
「ボ、ボーナスとして、1000点あげます!」
「お前さぁ…
抱いて欲しいなら、素直に…」
「あ、そんなこと言うならあげません!」
「あ、うそ、欲しいです!
ください!」
燐牙さんは頭を下げて頼み込み始める。
そんなコントみたいなやり取りをしながら、私たちの甘いあまーい、夜は更けていく。
そして、これからも、ずっと繰り返していく。
燐牙さんは私の身体を宝物のように優しく扱う。
私は燐牙さんの指先や舌先に感じて、熱のこもった声をあげていく。
それを塞ぐように燐牙さんがキスで唇を覆った。
ハッピーウェディング…♡



