私は乱暴にまた別の車に乗せられると、口に入っていたハンカチを取られた。
やっと声が出せる…
だけど、この人達だってカタギじゃ無いのは確かだ。
下手な問答をすれば、今度は私の頭が撃ち抜かれる事になるだろう…
それは直感で分かった…
「お前…
名前は?」
黒髪に真っ黒な瞳の彼はどこかのギリシャ神話に登場する神のように美しかった。
「一ノ瀬…
梨紗…」
私は震える唇でそう答えた…
「梨紗…か…
ふぅん…」
彼はそれ以上何を言うでもなく私のウェーブのかかった髪の毛をくるくると指で取って遊んでいた。
リムジンの後部座席のようだ。
かなり高い車だろう。
置かれているミニテーブルやカーナビ、冷蔵庫、シャンパンを見て、なんとなくそう思った。
彼はシャンパンを開けると、私を縛るロープを外し、「注げ。」と短く言った。
手はまだ震えていたが、シャンパンの重みでどうにか真っ直ぐを保てた。
私が注いだシャンパンを見て、彼は「下手くそだな。水商売の経験は無しか。」と言った。
その通りだった。
零細企業に事務員として勤める私に、シャンパンを上手く注ぐ技量など無かった。
「で?
昼の…
完全なるカタギの女が、何故闇バイトに拉致られた?」
彼はシャンパンを一口飲み、薄い美しい唇を少し開いてそう尋ねた。
「母が…
大きな手術が必要で…
空の通帳とキャッシュカードを渡せば100万円だと…」
私は途切れ途切れにそう答えた。
「ふぅん…
それで、待ち合わせ場所に行ってみれば、闇バイトに拉致された、って訳か。」
彼はどこか興味なさそうにそう確認した。
頭の中では別の事を考えていそうだった。
「あの…私…は…」
どうなるんですか…?
そう聞きたかったが、男にはそれを許さぬ冷たい威圧感があった。
「お前は俺に向けられた上納品だ。
好きにさせてもらう。」
ぐいっとシャンパンを飲むと、車がやっと停まった。
「降りろ。」
そう言われて、私が降りると、そこは庭園が広がる大屋敷だった。
「ここが俺の屋敷で、あっちが子分らだ。
とにかく中に入れ。
お楽しみはそれからといこうじゃ無いか。」
私は下着姿で彼の後をよろよろと歩いた。
中に入ると、モダンで近代的な空間が広がっていた。
高い絵画は銀縁の枠に綺麗に収まり、アンティーク品も銀色で統一されていた。
すごい豪邸だわ…
1階にエレベーターがあり、それに乗れ、と指示された。
エレベーターは彼が指紋認証をすると、5階まで上がって行った。
「ここは、すべて俺の部屋だ。」
窓が高くドーム状に広がり、遠くの街並みまで見えるそこは、まさに一流ホテルのスイートルームのようだった。
「脱げ。」
彼は銃を私に向けると、かなり冷淡にそう言った。
やっと声が出せる…
だけど、この人達だってカタギじゃ無いのは確かだ。
下手な問答をすれば、今度は私の頭が撃ち抜かれる事になるだろう…
それは直感で分かった…
「お前…
名前は?」
黒髪に真っ黒な瞳の彼はどこかのギリシャ神話に登場する神のように美しかった。
「一ノ瀬…
梨紗…」
私は震える唇でそう答えた…
「梨紗…か…
ふぅん…」
彼はそれ以上何を言うでもなく私のウェーブのかかった髪の毛をくるくると指で取って遊んでいた。
リムジンの後部座席のようだ。
かなり高い車だろう。
置かれているミニテーブルやカーナビ、冷蔵庫、シャンパンを見て、なんとなくそう思った。
彼はシャンパンを開けると、私を縛るロープを外し、「注げ。」と短く言った。
手はまだ震えていたが、シャンパンの重みでどうにか真っ直ぐを保てた。
私が注いだシャンパンを見て、彼は「下手くそだな。水商売の経験は無しか。」と言った。
その通りだった。
零細企業に事務員として勤める私に、シャンパンを上手く注ぐ技量など無かった。
「で?
昼の…
完全なるカタギの女が、何故闇バイトに拉致られた?」
彼はシャンパンを一口飲み、薄い美しい唇を少し開いてそう尋ねた。
「母が…
大きな手術が必要で…
空の通帳とキャッシュカードを渡せば100万円だと…」
私は途切れ途切れにそう答えた。
「ふぅん…
それで、待ち合わせ場所に行ってみれば、闇バイトに拉致された、って訳か。」
彼はどこか興味なさそうにそう確認した。
頭の中では別の事を考えていそうだった。
「あの…私…は…」
どうなるんですか…?
そう聞きたかったが、男にはそれを許さぬ冷たい威圧感があった。
「お前は俺に向けられた上納品だ。
好きにさせてもらう。」
ぐいっとシャンパンを飲むと、車がやっと停まった。
「降りろ。」
そう言われて、私が降りると、そこは庭園が広がる大屋敷だった。
「ここが俺の屋敷で、あっちが子分らだ。
とにかく中に入れ。
お楽しみはそれからといこうじゃ無いか。」
私は下着姿で彼の後をよろよろと歩いた。
中に入ると、モダンで近代的な空間が広がっていた。
高い絵画は銀縁の枠に綺麗に収まり、アンティーク品も銀色で統一されていた。
すごい豪邸だわ…
1階にエレベーターがあり、それに乗れ、と指示された。
エレベーターは彼が指紋認証をすると、5階まで上がって行った。
「ここは、すべて俺の部屋だ。」
窓が高くドーム状に広がり、遠くの街並みまで見えるそこは、まさに一流ホテルのスイートルームのようだった。
「脱げ。」
彼は銃を私に向けると、かなり冷淡にそう言った。



