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「真白さーん!」
俺は大声でさけびながらかけ回った。
女子トイレの近くにいるかと思ったけど、それらしき姿は見えない。
確か虹架ちゃんはピンクに赤い花柄の浴衣を着ていたな。
すごく似合っててかわいかったな……じゃなくて、早く見つけないと!
「真白さーん! いたら返事してー!」
「小日向くん!?」
名前を呼ばれてハッとして、声のした方を振り向いたら虹架ちゃんが石段に座っていた。
「見つけた! よかった〜」
「ごめんね。迷子になって、ゲタの鼻緒も切れちゃったの」
虹架ちゃんのはいていたゲタは、確かに鼻緒が切れてしまっていた。
「スマホも圏外で連絡もできなくて、ごめんなさい」
「いやいや、会えてよかったよ」
俺はしゃがみこんで背中を出した。
「はい、乗って」
「ええっ!?」
「みんなのところまで戻れば、ゲタは八雲が直せると思うしおんぶしていくよ」
たぶんだけど、八雲ならなんとかできる気がする。
いや知らんけど、八雲ならなんとかできそうじゃね?
「でも……」
「大丈夫! 俺力あるからさ」
「いいの……? ありがとう」
虹架ちゃんが俺の肩に手を置いた時、急に空からパーン! という音が聞こえた。
空を見上げると、ちょうど花火が打ち上がったところだった。
その後も次々と赤や緑、黄色にかがやく花火が打ち上がる。
「た〜まや〜!」
誰かのそんな声が聞こえた。



