ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 一人でしゃべってる俺のことを、虹架ちゃんはとまどったように見ている。

 それでも俺は雷斗に言った。


「ちゃんと言えよ。他にも言わなきゃいけないこと、あるんだろ」

『……晴真はお人よしだねぇ。ライバルの背中押すなんてさ』


 そうつぶやいた直後、ヒュルンという感覚とともに意識が雷斗と入れ替わった。

 俺だって、ライバルの背中押したくないよ。
 でも、雷斗に後悔してほしくないんだ。


「虹架ちゃん」

「えっ」

「びっくりさせてごめんね。虹架ちゃん」

「……雷斗くんなの?」

「うん、そう」


 虹架ちゃんはパチパチと何度も瞬きした。


「本当に本当に、雷斗くんなの?」

「本当だよ。オレね、今晴真に取り憑いてるユーレイなんだぁ」

「ええっ」

「今は晴真のカラダ借りてんの」


 ふつうはこんなこと言われても、信じないよな。


「ごめん、何言ってんだって思うよね」

「ううん、信じるよ」


 虹架ちゃんはまっすぐ俺を、いや雷斗を見て言った。


「だって雷斗くん、ウソついたりしないから」

「虹架ちゃん……」

「久しぶりだね、雷斗くん」


 虹架ちゃんはふわり、と優しくほほ笑んだ。


「うん、久しぶり」