一年もさまよい、やっと出会えたのが晴真たちだった。
なぜ晴真に取り憑いたのかはわからなかったけど、久々に誰かと話せてすごく楽しかったしうれしかった。
晴真の中に入り込んだら、物にさわれるしごはんも食べられる。
もちろん誰かと話すこともできる。
そんな当たり前のことが、オレにとっては感動的だった。
そしてまさか、虹架ちゃんと再会するなんて夢にも思わなかった。
『……思い出した、やっと思い出したよ』
引き出しに入っていたピンクの花柄ケースに入った消しゴム。
多分母さんが大事に保管していてくれたんだろうな。
消しゴムのケースからは緑色の何かがはみ出てる。
カラカラに乾いて押し花みたくなってるかもな。
でも、ちゃんとあの時のままかくされていたんだ。
『オレはこれを、虹架ちゃんに返したかっただけなんだ……』
たったそれだけのことだった。
なのに、どうして今まで忘れてしまっていたのだろう。
消しゴムを返して、約束していた四葉のクローバーをわたしたかった。
ただ、虹架ちゃんの喜ぶ顔が見たかっただけなんだ。
「思い出せて、よかったな」
晴真がオレに向かってそう言った。
「返しに行こうぜ。一年かかったけどさ」
『……うん』
いつのまにあふれていたのか、オレのほほには涙が伝っていた。
晴真は今までで一番優しく笑いかけてくれた。



