ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 小日向くん、すごく速かった。
 あっという間に追い抜いて、一位で大逆転してゴールしてすごくすごくカッコよかった。


「カッコよかったよ……!」

「……っ!! ほ、ほんと? えへ……そうかな?」


 照れくさそうに笑う小日向くんは、ちょっとかわいいなって思った。


「虹架ーー!! おめでとう!」


 応援席に戻ると、星來ちゃんがぎゅーっとハグしてくれた。


「がんばったね、虹架。ありがとう」

「凪砂ちゃん……でも私、抜かされちゃって」

「相手は男子なんだから仕方ないよ」

「ビリにはならなかったんだからすごいよ! それにしても小日向くん、速かったねー」

「うん、小日向くんのおかげで優勝したよ」

「い、意外とやるよねっ、小日向って」


 星來ちゃんも凪砂ちゃんも喜んでくれてよかった。
 凪砂ちゃんは少し顔が赤い気がするけど……、気のせいかな?


「……あれ? そういえば、」


 走ってる途中で誰かが声をかけてくれなかったっけ?
 確か男の子の声だった。

 あの時は必死だったけど、あれは誰の声だったんだろう?
 なんとなくだけど、どこかで聞いたことのある声だったような――。