ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 気づいたら大声でさけんでいた。
 今までで一番大きな声を出したかもしれない。


「あっ……!」


 ゴールテープの直前で小日向くんが前に出る。
 そのままテープを切った。

 やった、一位だ……!


「ヨッシャーー!!」

「やったーー!!」

「大逆転!!」


 クラスメイトたちの大喜びする声が聞こえる。
 みんな手をたたいて飛び跳ねて興奮していた。

 だけど私は、何も言えずにただぼうぜんとしていた。


「真白さん! ありがとう!」


 一位というタスキをかけてもらった小日向くんが、満面の笑顔で私にかけよる。


「真白さんが三位できてくれたから、ヨユーで抜かせた!」


 そういってピースサインを見せる小日向くんの前で、私はボロボロと涙をこぼしてしまった。


「えっ!? どうしたの!? どこかいたい?」

「ううん、ちがうの……」


 ずっと一位だったのに抜かされちゃって、やっぱり私が走らない方がよかったんじゃないかって思った。

 でも、ちょっとは役に立てたのかな……。


「ありがとう、小日向くん……」