ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 バトンが第三走者の千葉さんに渡る。
 千葉さんもテニス部で足の速さはピカイチだ。

 一位のままバトンは第四走者のサッカー部・佐々木くんにつながる。
 佐々木くんの次はついに私の番。

 急にリレーに出ることになり、不安な私を気づかって順番を入れ替えてくれた。
 運動部がリードを広げられたら、少しでも私に余裕ができるからって。

 アンカーの小日向くんが提案してくれたの。


「がんばれーっ!」

「いけいけーー!!」


 佐々木くんがもうすぐそこにいる。
 伸ばされたバトンを受け取り、私は確かに握りしめて走り出した。


「いけーーっ!! 虹架ーー!!」

「虹架ならいけるよ!!」


 一際大きな凪砂ちゃんと星來ちゃんの声が聞こえた。
 私は必死に両手と両足を動かす。

 やらなきゃ、絶対一位で小日向くんにバトンをパスしなきゃ……!!

 でも、一生懸命両手を振っているのに、足が追いつかない。
 緊張しているせいなのか、息が苦しい。


「はあっ、はあっ」


 私のすぐ横を他クラスの男子が追い抜いて走り去った。

 抜かれちゃった……!
 そう思った直後、二人目の背中が目の前を通りすぎる。


「がんばれ虹架ーー!!」