ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 小日向くんがそう言ってくれて、緊張していた気持ちが軽くなった。


「ありがとう、小日向くん。私がんばるね」

「……っ! うん、がんばろう!」


 小日向くんはすごく優しい。

 男の子と何を話したらいいかわからなくて緊張しちゃうけど、小日向くんはとても話しやすい。
 隣の席が小日向くんでよかったなぁって思う。

 でも最近の小日向くんは、ちょっと雰囲気が変わることがあるんだよね。

 一人でブツブツしゃべってる時もあるし、大丈夫なのかな?
 今日はいつもの元気で明るい小日向くんって感じだけど。


「位置について、よーい、ドン!」


 第一走者がスタートした。
 私たちのクラスの第一走者は陸上部の坂本くん。

 ロケットスタートでグングン周りを突き放す。
 第二走者は同じく陸上部の中井さん。

 陸上部二人でいきなりリードを広げる作戦だ。
 その作戦は成功し、現在一位!


「いいぞいいぞーっ!」

「がんばれー!!」


 クラスのみんなの声援が聞こえる。
 私の心臓がドクンドクンと大きく高鳴る。

 私が走るのは五番目。
 どうしよう、もっと緊張してきちゃった。