ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 くっ、虹架ちゃんと切り離すことはできないってことか。


「それにしても、もう少し思い出せることないのか?」

『うーーん……』


 雷斗は体ごとひねる。


「そもそもどこで出会ったんだよ?」

『それが思い出せたら苦労しないって』


 なんで他人事なんだ。
 記憶取り戻す気あるのか、こいつ。


『でもさ、一個思ったことあるんだ』

「なんだよ?」

『晴真の席から見る虹架ちゃん、すげーいいな』

「何言ってんだバカ!」


 急にマジメな顔して何言い出すかと思えば!


『横顔もかわいいよな』

「知ってるわ!」

『授業中チラチラ見てるもんなー』

「見てねえ!」

『いやバレバレだって。隣の席でよく見たいから明日もカラダ貸して?』

「貸さねーよ!!」


 もうやだ、このアホユーレイ誰か今すぐに祓ってほしい。

 八雲は害はないって言ってたけど、今のところ害しかないんだが!?


『はははっ』

「何笑ってんだよ」

『だって楽しいんだもん。またこうやって学校に通えるなんて思ってなかったし』

「……そーかよ」

『ありがとな、晴真』


 そう笑った雷斗の表情が、どことなく切なそうに見えた気がして――ちょっとだけ同情した。


『明日も楽しみだ! 明日こそ虹架ちゃんと話したいなー』

「だからカラダは貸さないからな!?」


 やっぱり同情したことを後悔した。