二人とも虹架ちゃんがいることに気づいてるはずだ。
すっとぼけた反応しやがって……!
「…………」
「アオハルだな、雨季」
「アオハルだね、夕季」
「うるせーー!!」
「何してんの?」
急にぬっ、と背後に現れたのは、八雲黎。
名前がやたらとカッコいいこの男、なんと顔までカッコいい。
女子がアイドルに似てるとかでよく騒いでる。
本人は関心ないけど。
「おはよ、八雲」
「おはよ」
「聞いてくれよ、晴真がさぁ」
「やめろーー!!」
俺は慌ててユッキーの口をふさぐ。
本人の前で何言おうとしてんだ!!
チラッと虹架ちゃんの方を振り向いたが、そこに彼女はいなかった。
気づいたら虹架ちゃんは自分の席に戻っており、いつも一緒にいる加藤さんと矢野さんと話していた。
つーか結構クラスメイトたちが登校してる。
俺と虹架ちゃんだけの空間はあっけなく終わった。
「あ〜〜くそう……」
今日こそはちゃんと伝えたかったのに。
虹架ちゃんのことが好きだって――。



