その夜、誕生晩餐会で、4人の男性から求婚された。
1人目は私の愛する…
いいえ、愛していた…?
いや、今でも愛している、ジューク様…
2人目はラルフ様。
3人目はファインヒル侯爵家次男のレオナルド様。
4人目は豪商として知られるカイザー家のレイゼン様。
商家に嫁ぐ気は無いので、実質は、ジューク様、ラルフ様、レオナルド様、の3人の求婚者の中で決めることになるだろう。
とは言え、ジューク様も候補から外さなければならない。
なぜなら、今度は違う運命に賭けてみようと決心しているから。
決して嫌いなわけではないけれど…
いいえ、あの笑顔は今も脳裏に焼き付いている…
だけど…
では、ラルフ様かレオナルド様?
ラルフ様はイェーガー侯爵としてすでに就位しており、イェーガー侯爵家はワインの産地として莫大な富を築いていた。
対してレオナルド様。
ファインヒル侯爵家の次男の為、おそらく兄のニード様の補佐的な役割を担っていくはずだ。
やはり…
結婚するとなると、確立した地位を持つラルフ様かしら…?
しかし、あの人と愛し合う日が来るなんて、想像もつかないわ。
彼とは全く共通点がないのだ。
私は本や書物を愛しているが、彼は狩猟や乗馬が好きだと聞いている。
インドアな私に比べて、彼はアウトドア。
だけど…
贅沢を言っていても始まらないわ。
これは、義理の、偽物の結婚なのだから。
♦︎♦︎♦︎
次の日、ラルフ様がジェッツ家にやって来た。
私の手紙の指示どおりに、12時ちょうどに。
「…俺でよいのですか?」
「えぇ、しかし…」
「《《しかし》》?」
「この結婚には三つの条件がありますのよ。」
「…お聞きしましょうか。」
「ありがとう。
①私を愛しても良いが見返りは求めない事
②私が許可するまで私を妊娠させない事
③月に30万リラまでのお金の使い道に口を出さない事
の3つですわ。
いかが?」
「…条件の意図は分からないが…
よいでしょう。
受け入れます。」
彼は青空色の瞳で、真っ直ぐに私を見つめながらそう言った。
「…本当によいのですね?」
「男に二言はありませんよ。」
少し肩をすくめて言う。
そんな少年ぽい表情も出来るのね…
しかし、私の心を締めるのは、あの春を呼ぶ笑顔だった。
「では、この書類にサインを…」
「口約束では信用出来ませんか?」
「いえ、念のためですわ。」
私は言った。
契約書を仕舞い、彼の差し出す右手を取った。
やはり、その手は冷たかった。
そうして、私たちの偽りの結婚生活が今始まろうとしていた。
1人目は私の愛する…
いいえ、愛していた…?
いや、今でも愛している、ジューク様…
2人目はラルフ様。
3人目はファインヒル侯爵家次男のレオナルド様。
4人目は豪商として知られるカイザー家のレイゼン様。
商家に嫁ぐ気は無いので、実質は、ジューク様、ラルフ様、レオナルド様、の3人の求婚者の中で決めることになるだろう。
とは言え、ジューク様も候補から外さなければならない。
なぜなら、今度は違う運命に賭けてみようと決心しているから。
決して嫌いなわけではないけれど…
いいえ、あの笑顔は今も脳裏に焼き付いている…
だけど…
では、ラルフ様かレオナルド様?
ラルフ様はイェーガー侯爵としてすでに就位しており、イェーガー侯爵家はワインの産地として莫大な富を築いていた。
対してレオナルド様。
ファインヒル侯爵家の次男の為、おそらく兄のニード様の補佐的な役割を担っていくはずだ。
やはり…
結婚するとなると、確立した地位を持つラルフ様かしら…?
しかし、あの人と愛し合う日が来るなんて、想像もつかないわ。
彼とは全く共通点がないのだ。
私は本や書物を愛しているが、彼は狩猟や乗馬が好きだと聞いている。
インドアな私に比べて、彼はアウトドア。
だけど…
贅沢を言っていても始まらないわ。
これは、義理の、偽物の結婚なのだから。
♦︎♦︎♦︎
次の日、ラルフ様がジェッツ家にやって来た。
私の手紙の指示どおりに、12時ちょうどに。
「…俺でよいのですか?」
「えぇ、しかし…」
「《《しかし》》?」
「この結婚には三つの条件がありますのよ。」
「…お聞きしましょうか。」
「ありがとう。
①私を愛しても良いが見返りは求めない事
②私が許可するまで私を妊娠させない事
③月に30万リラまでのお金の使い道に口を出さない事
の3つですわ。
いかが?」
「…条件の意図は分からないが…
よいでしょう。
受け入れます。」
彼は青空色の瞳で、真っ直ぐに私を見つめながらそう言った。
「…本当によいのですね?」
「男に二言はありませんよ。」
少し肩をすくめて言う。
そんな少年ぽい表情も出来るのね…
しかし、私の心を締めるのは、あの春を呼ぶ笑顔だった。
「では、この書類にサインを…」
「口約束では信用出来ませんか?」
「いえ、念のためですわ。」
私は言った。
契約書を仕舞い、彼の差し出す右手を取った。
やはり、その手は冷たかった。
そうして、私たちの偽りの結婚生活が今始まろうとしていた。



