先を行く私の一歩後ろを京がついてくる。
お互い無言で黙々と歩き続けた。
歓楽街を抜け、住宅地に入るとすぐに私が住むマンションがある。
「……ここ」
京は、興味深そうにマンションを眺めた。
決してボロくは無いが、大きくもないマンション。
そこの中の、1番小さい1Kの部屋に私は住んでいる。
エントランスに入り、ポストを確認してから、エレベーターに乗って3階に行く。
「普段人が来ることなんてないから、片付いてなんてないからね。泊めてあげるだけいいと思って。」
鍵を開ける前に、保険として一言言っておく。
「もちろん。」
玄関を開け、京を中に入れる。
入ってすぐ、簡素なキッチンと風呂場、トイレが並び、奥にはドア。
キッチンの脇には口の縛られていないゴミ袋が二つ転がり、シンクには洗い物が積まれている。
干しっぱなしだった下着を慌てて取り込み、隠した。
京はそれを見て、気まずそうに目を逸らす。
奥の部屋に入る。
ぐちゃぐちゃのベッドの上には、洗濯し終えたまま畳まれていない服が山になっている。
ローテーブルには学校でもらったプリントが乱雑に積まれ、重ねてその上に教科書が開きっぱなしになっていた。
他にも、色の混ざった化粧品、飲みかけのペットボトル、そして、手入れの途中だった拳銃。
物が散乱しまくっている。
「………」
奥の部屋を一通り見渡したあと、京は一拍置いてから、吹き出した。
「……っく」
