闇底の純愛





「ごちそうさま」



食べ終えた食器を流しに運んでから、浴室に向かう。


お風呂を洗うのが面倒なので、しばらくお湯は溜めていない。

冬なら、寒いから湯船に浸かりたいと思うけど、夏はそれ以上に面倒くささが勝つ。



シャワーで髪と体を洗う。

体をふいて着替え、風呂場から出る。



キッチンでは、京が立って洗い物をしていた。


「お風呂出た。入っていいよ」

「ありがとー。これ終わったら入る」


短いやり取りだけして、そのまま洗面台の前に立つ。


ドライヤーのスイッチを入れ、腰まである髪を少しずつ乾かしていく。

量も長さもあるせいで、乾くのにはかなり時間がかかる。


一通り乾したら、最後に冷風を当てて終わり。



部屋に戻ってベッドに腰を下ろし、アイスを片手にスマホを弄る。


だらだらと、時間がゆっくり流れていく。




しばらくして、京がお風呂から上がってきた。

洗濯機の上に置いてあった、緩い部屋着を着ている。


いつもセンター分けにセットされている髪は下ろされて、前髪が目にかかるくらいまで落ちている。

耳にあった銀のリングピアスも外されていて、そのせいか、少し幼く見えた。


なんとなく視線を向けたまま、ぼんやり眺めていると、髪の隙間から覗いた目と、ふいに目が合った。



「…京もアイス食べる?」


「いい?じゃあ貰おうかな」

「冷凍庫に入ってるから、好きなの1個食べていいよ。」

「ありがとう」


「あ、でもチョコのアイスは食べちゃだめ。私が食べたいから」