闇底の純愛





翌朝。



目が覚めたら横に京はいなくて、台所の方からなにやら水の音が聞こえる。


眠い目を擦りながら時間を確認すると、午前7時過ぎ。

アラームがなる少し前だった。

むくりと体を起こして、ベッドから出る。



ドアを開けて部屋を出ると、京がシンクに溜まっていた洗い物を片付けていた。


「あ、起きた。おはよう、酔ちゃん」


こちらを振り返り、朝とは思えないほど爽やかな笑顔を向けられる。


「……なにしてんの?」

「見ての通り、洗い物。泊めてくれたお礼」


京が、わざわざお礼をするような人だとは思っていなかったので、少し驚いた。

でも、面倒な洗い物をやってくれてるのは素直にありがたい。

「ありがとう…」

「こちらこそ。昨日俺、久々にあんなぐっすり寝たし」

「…そう」



まだ回りきらない頭を起こすため、洗面台で顔を洗う。


ささっとスキンケアをして、学校の支度を始めた。

鞄に、教科書やノートを詰め込みながら、ふと気になって顔を上げる。


「京、学校間に合うの?鞄とか制服とか、持ってないっぽいけど」

「ん〜、間に合わないね。俺の鞄と制服、駅前のコインロッカーに入れてあるんだけどさ。ここ、駅から遠いし、バスも通ってないでしょ?どっちにしろ遅刻だから、酔ちゃんと一緒に家出て、一限の途中にのんびり着くよ。」

「ふぅん」