闇底の純愛




side:夜宵 酔



髪を乾かして部屋に戻ると、京がベッドに腰掛けたまま、上半身だけ横になった状態で寝ていた。

「……京?」


呼びかけても反応がない。

本当に寝ているらしい。


そっと顔を近づけると、すぅ、すぅ、という規則正しい寝息が聞こえてきた。



思わず瞬きをする。

京が、こんなふうに眠っているところを初めて見た。

無防備で、邪気のない顔。



いつも薄く笑っている口元も、今は力が抜けている。


……珍しい。



ふと視線を落とすと、洗濯物がすべて畳まれていた。

形が揃っていて、妙にきれいだ。


意外と几帳面なのかもしれない、なんて思う。




せめてもの慈悲をかけて、布団を引っ張ってきて、掛けてやる。


京が寝ているのが、邪魔にならない位置だったから、特に動かしたりはしなかった。



起きる気配もないので、電気をパチッと消す。

暗くなった部屋の中、手探りで京の位置を確かめて、隣に寝転んだ。




……部屋に、人がいる。




布団越しに僅かに感じる温もりや、寝息が新鮮だった。

いつもと同じ部屋なのに、まったく別の場所のような気さえする。



京が身動ぎするたび、布団が引っ張られる。

取られないようにぎゅっと握った。



変な違和感を抱えながらも、目を瞑るとすぐに眠気がやってくる。



それから私は、数分もしないうちに眠りに落ちた。




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