「おはよ、望月さん。今朝も大変そうだね」
隣の席でクスクス笑っている男子、梶 洸平くん。
「梶くん、面白がってるでしょ」
「うん、めっちゃ面白い」
「ひどいよ」
ゴメンゴメンと笑う梶くんは、あの桐生くんの親友だ。
桐生くんの親友なんて、よっぽど性格が悪くなければ務まらないのじゃないかと思ったけど、梶くんはとっても普通の人だ。
明るくて面白いし、桐生くんやさあちゃんの本性を知りつつ、その特殊な二人に囲まれている私にも優しくしてくれる貴重な人間なのだ。
「にしても、水谷さんって遠くで見たら本物のお嬢様っぽいよね」
梶くんの視線の先ではさあちゃんが女子に囲まれて恥ずかしそうに微笑む姿。
「さあちゃんはお嬢様だよ?」
お父さんはこの辺りでは有名な不動産やの社長さんだって、聞いたことがある。
「いや、そういう意味じゃなくてさ」
梶くんのクスクスに気づき、そういうことかと頷いた。

