桐生くんには敵いません!

 この二人、私を挟んで顔を合わせると、いつもこの調子なのだ。
 言い争う二人に挟まれた形で見えたのは、遠巻きにこっちを見てる女子たちの冷ややかな目。
『小声で互いを罵り合う悪魔男子と関西弁女子の間に立たされている私』というのが真実なのに。
『お似合いの美形カップル、王子と姫の間を邪魔しているモブ』に見えているらしく『さっさと去れ、邪魔者』と言わんばかりの視線が痛い、居たたまれない。
 わかってるよ、どうせ私は邪魔者ですよーだ!

「わ、私、今日の宿題まだやってないから先行くね」

 スッとその間を抜けて教室へと歩き出す私に。

「まだやっとらんの? ウチの見せたげよか?」
「水谷さん、そういう中途半端な優しさは福ちゃんのためにはならないから止めて。自分のチカラでやれるよね?」

 早足で歩く私に二人が追いついてきて、挟みこまれるような形で教室に雪崩れ込むと。

「おはよう、來人くん」
「咲綾ちゃん、おはよう~!」

 二人を囲むように群がってきた女子たちにより弾き飛ばされた私はヨロヨロと自分の席にたどり着く。