「や、やだな~! 大丈夫だよ? 私、麻木くんがさあちゃんのこと好きなんだろうなって気づいてたよ」
「へ? なんで、そないなこと! アイツが福にそう言うたんか?」
「今日ね、大福チャーム貰った時に、さあちゃんにも渡してって言った麻木くんの顔が赤かったしさ」
「ちょ、待ちいや」
そう言うと、さあちゃんは自分のバッグの中からペンケースを取り出した。
「わわわ、待って、待って、さあちゃん!」
見ると大福チャームを引きちぎろうとしているじゃないか。
「大福チャームに罪はないからね! それにホラ、私とお揃いだよ? 私は、さあちゃんとお揃いの持てて嬉しいよ?」
必死に止めたら、鬼みたいな顔のさあちゃんがボロボロ泣き出した。
「せやけど、どら焼きアホンダラ王子が福に近づいたんはそういうことなんやろ? 梶!」
アホンダラのラが巻き舌になっているさあちゃんは、かなり怖い。
麻木くん、アホンダラになっちゃったのごめんなさい。
「うん、まあ、残酷だけど平たく言えばそういうことになるかな。今朝、言おうか迷ったのは、麻木くんは入学当時から水谷さんのファンだったみたいでさ」
ああ、だからか。私のことを知っていたのも、話してみたかったというのも、きっとそういうことだろう。

