桐生くんには敵いません!

「どうやった? どら焼き王子とは。渡したいものって何やったん? あれか? 福へのラブレターかいな?」

 なぜかワクワクしているさあちゃんに苦笑して首を振る。

「これ、貰ったの。大福のファスナーチャーム。さあちゃんの分もあるよ」

 はい、と手渡すと不思議そうな顔をしている。

「女子って仲の良い友達同士でお揃いのもの持ちたがるでしょって、さあちゃんの分もくれたんだよ」
「ほお? ようわからんけど、大福の福は、福の福やしな。福と同じのは嬉しいわ、おおきに、どら焼き王子」

 四組側の壁に向かってお辞儀をし、手を合わせたさあちゃんは自分の机からペンケースを持ってきて大福チャームを付けたから、同じように私も自分のに装着する。

「かわええな。福とお揃いは嬉しいな」

 そう笑うさあちゃんは、やっぱり今日も美少女だ。

「どないしたん?」

 じっと見つめていたら、さあちゃんに気付かれた。

「い、いや、さあちゃんって美人だなあって」
「はあ? どこがやねん! うちは福みたいな可愛らしい子に生まれたかったで」
「ありがと」

 私の頬をはさみ、のぞき込んできたさあちゃんに心配かけないよう、いつも通りの笑顔を返した。