桐生くんには敵いません!


「福……、三組なん?」

 あ、美少女のこと忘れてた!

「は、はい、三組ですけど」
「福と同じクラスなんて運命や。神様の巡り合わせや!」

 すぐ側で同じ時間に神様のこと思ってた人いた!
 胸の前で手を合わせて満面の笑顔を浮かべる彼女は、口さえ開かなければ完璧な美少女。

「ウチな、水谷咲綾っちゅうねん、よろしう頼むで、福。前世のことは追々ゆっくり思い出してくれたらええ。さ、一緒に教室行こか!」

 水谷さんが私の手を握り、歩き出そうとしたその時だった。

「は?」

 私と水谷さんの繋いでいた手が何らかの衝撃で強制的に離された。
 振り向けばそこに手刀を構える桐生くんが真顔で立っている。

「福ちゃん、誰この人?」
「ちょ、待ちいや! アンタか? 今、ウチと福の手、切り離したんは!」

 桐生くんは、ボーッと水谷さんを見ていたけど。

「福ちゃん、ガラ悪い子と付き合っちゃダメだよ。さ、行こ?」

 水谷さんの声に応えることなく、校舎に向かって私の右腕を引き歩き出す桐生くんだけど。