「福ちゃん。答え、間違ってるよ」
桐生くんの細く長い指が、トントンとノートを叩く。
「途中までは計算あってるんだよ、でもね、ココで桁がズレちゃってるでしょ」
「あ、ホントだ!」
わかった! と顔をあげたら至近距離の桐生くんと視線が交わってしまい、あわててノートに書いた他の式まで消してしまった。
桐生くんのクスクス笑う声に耳を真っ赤に染めながら、必死でまた問題を解く。
やりづらい、ずっと見てないでどっか行ってくれ、と思うのに、受験勉強を教えてもらった時と同じような感覚を懐かしむ私もいる。
「來人、これどうやって解くん?」
「二十三ページの式、見て? 同じだよ?」
「お――、さっすが、來人。サンキュ」

