泡のような世界で君と恋をする

「教えてください」
「この国が恐れているものを」
「私が、何を選べるのかを」

沈黙。

長老のひとりが、ゆっくり口を開く。

「境界とは、世界を分けるものだ」
「人魚の海と、人間の陸」
「そして――その間にある、歪み」

「かつて、境界は固定されていた」
「だが今は、揺らいでいる」

私は、思い出す。

禁域。
結界。
自分だけが拒まれなかった感覚。

「……私が、歪ませてる?」

「違う」
ルシアが即座に言った。