泡のような世界で君と恋をする

静かすぎた。

それが、最初の違和感だった。

「……遅い」

ルシアは、入浴場の方を見つめたまま動かなかった。
澪が向かったのは確かにここだ。
それなのに、戻ってこない。

胸の奥が、嫌な形でざわつく。

「まだ出てないだけだろ」
セリオが言う。

「着替えとかあるし、時間かかるって」

「……それにしても、だ」

ルシアの声は低かった。
理屈じゃない。
感覚が、警鐘を鳴らしている。