泡のような世界で君と恋をする

扉の向こう。
この世界の住人たちが、私を測っている。

恐怖よりも先に、不思議と冷えた静けさが広がった。
拒まれているわけでも、歓迎されているわけでもない。

ただ、“異物”として、そこに置かれている。

ふと、耳の奥で、かすかな音がした。

呼ばれた気がした。
誰かが、私を。

けれど、名前までは、はっきりと聞こえなかった。

この泡のような世界で、
私はもう掴まれてしまったはずなのに――
まだ、覚悟ができていなかった。