泡のような世界で君と恋をする

 怖い。
 知らない世界、知らない存在。

 その時、背中に回された腕が私を引き寄せた。

「見るな」

 低い声。

「この子は、僕が連れてきた」

 ぴたりと、空気が変わる。

 さっきまで好奇心むき出しだった人魚たちが、一歩引いた。

「……そっか」

「じゃあ、触らないほうがいいね」

 軽い調子なのに、その距離感ははっきりしていた。