泡のような世界で君と恋をする

しばらくして。

ルシアは、境界にひとり立つ。

王としての務めは、続く。
孤独も、なくならない。

それでも。

「……澪」

名を呼ぶ。

返事はない。
感覚も、ない。

だが――
不思議と、空虚ではなかった。

共鳴があったから、繋がったのではない。
選び続けたから、繋がったのだ。

境界は、揺れない。

壊れない。

ただ、そこに在り続ける。

越えるかどうかは、いつだって――
生きる者自身が、決める。


――完――