もう一回言って

「そぉだよ」
「……今は、特にない。未桜がいる」
俺がテレビを見たまま答えると、未桜は不満そうに俺からテレビに目線を変える。
「じゃあ、やって欲しいこととか、したいこと!」
えー……。
急に、なんだ?
「んー…」
「涼ちゃん、一個くらいあるでしょっ!なんでもいいから」
「急に言われても……」
てか、未桜ほんとにどうした?
もうすぐなんかあるっけ?
俺が戸惑っているのに、いつもの未桜らしくなく、引く気配がない。

‥強いて言うなら、一個あるけど。
言いにくいし、別にそれほどでもってわけじゃないんだよな。
「”涼太”って呼んでよ」
これ、付き合ってからはたまに思っていた。
”涼ちゃん”だと、幼馴染感や友達感っぽくてカップルみたいじゃないっていうか。
カップルぽくなくてもいいんだけど、ここ十年涼太っていう名前で呼ばれてないし、涼ちゃん呼びの卒業みたいな。
「えぇぇ…」
難しそうな顔。
「なんでもいいって言ったじゃん」
「……そう、だけど。…うーん。おいおい、ね!」
はあ?
今じゃないのかよ…。
結局、なんのことか全くわからなかったし。
未桜俺になんか隠してんのか?