もう一回言って

さっきよりももっと、心がズタボロに切り裂かれた感覚になった。
その場から走って逃げ、家に帰る途中で部活終わりの涼ちゃんと会い、話を聞いてもらった。
涼ちゃんは、顔が真っ青になって、すぐに殺意のオーラがわきはじめていた。
その日の夜に涼ちゃんがパジャマ姿で私に会いに来てくれた。
涼ちゃんに支えられながらたくさん泣いて、たくさん悔しがった。もちろん次の日は目が赤く腫れあがっていてみんなにいっぱい心配をかけてしまったけど…。
でも…旭先輩はなぜか私と会ったりすれ違うたんびに話しかけようとしてやめているのを私は感じ取った。
「…っ」
いつも、小さく息をのんで考えてから、私から離れていくのを前で感じていた。
しばらくして気持ちも落ち着いてきたころ、旭先輩と賭けをしていた人たちに呼び出され何度も何度も謝られた。『あの後輩、こえぇよな…』『いつも黙ってるくせに迫力半端ねー…』なんて、後でその人たちが話しているのを聞いて、涼ちゃんが言ってくれたんだと分かった。
そうなんだよ‥涼ちゃんは私のために、一人の幼馴染のために先輩たちに歯向かってまで守って、動いてくれる。そういう涼ちゃんのところを私はすごく尊敬しているの。本人には、言ったことないけど…。

「桜叶?もう先輩たち行っちゃったよ?私たちも戻ろ?」
彩に肩を叩かれ我に返る。
昔のことを思い出しているうちに、旭先輩たちはもう帰ったらしい。
先輩への告白現場を目撃したせいで私が黙っていたと思っている彩は、「ごめん。保健室で休む?」など声をかけてくれた。
この後の授業は全く頭に入ってこなくて、放課後まで涼ちゃんと旭先輩のことで頭がパンクしそうだった。
「…桜叶。帰ろ」
涼ちゃんが教室のドアの隙間から顔を出して私を呼ぶ。
横目で彩を見ると、親指でグットサインをして鼻歌を歌いながら涼ちゃんとは反対側のドアから出て行った。
「あ、あのさ!今日、買い出し…行かない?そろそろ食材とか…なくなってくるころかなと」
「‥‥‥別にいいけど」
何かを察知したのか、それ以上何も言わず私の後をついてくる。
スーパーマーケットに着いて買い物カートを押しながら店内を歩く。