もう一回言って

廊下から教室まで響いて周りが静まり返り、教室にいる未桜なんかは、訳が分からないのか目を丸くして固まっている。
「マジギレかよ!てか、付き合ってるってマジか!?」
髙坂は興奮気味に言いながらも、もようやく俺から離れていった。
やっと落ち着ける……。
そう思ったのも束の間、

「黒崎君って柊木さんと付き合ってるの!?」
「えーっ、初耳!」
「ちょっと狙ってたのにぃー」
「二人って幼馴染なんでしょ~?」
「いつも一緒にいるよねえ」
「未桜ちゃんって一個上の三谷先輩と続いてるんだと思ってた」

ひそひそと隠す気が全くない声量で好き勝手にしゃべっている女共。
特に”三谷先輩と続いてる”って言ったやつには相当ムカついた。
もう未桜はケリつけてるってのに。
これだから噂に耳を貸す奴は…と、呆れて未桜の隣のクラス…自分のクラスに入る。
と、未桜は顔を赤くさせ、怒ったように眉を吊り上げながら俺を追いかけてきた。
「……りょーうーちゃーんー!」
俺の腕を引っ張り、睨んできた。

…あ、目合わせてくれた。
怒ってっけど……。
でもやっぱ怒ってる顔もかわいー。

なんて心の中で呟く。
顔では申し訳なさそうな表情をして謝る。
「ごめん。未桜‥嫌だったよな」