もう一回言って

「なわけないでしょ!逆!もう、知らないっ」
怒ってないけど、からかわれ続けるのは嫌だったから怒ったフリをして、涼ちゃんから顔をそらす。
「え、怒った?ごめん!こっち向いて…」
本当に焦ったようで、涼ちゃんは慌てて私の頭を撫でたり、タオルを持ってきて髪を拭いてくれたりだと手を尽くしてくれた。
こ、ここまでされる予定じゃない…。
「ウソだよ、怒ってない。騙してごめんね」
「マジ、かよ…。良かったー…」
心底ホッとしたように笑みを浮かべ、私のことをもう一度抱きしめた。
「んっ…ん」
唇を重ね、体温を確かめる。
無意識に涼ちゃんの濡れた服の袖を掴んでいた。
はぁ‥‥涼ちゃんっ…。このまま、ずっと…。
湿っている床に押し倒されても、全く気にならず、涼ちゃんからの優しいキスを受け止める。
ホントに大人なキスはしないでくれていて、涼ちゃんに大切にされていることを実感する。
涼ちゃんの手が私の服の端に触れた、ちょうどその時――
ピンポーン♪
小さいけど確実に、インターホンが聞こえた。