もう一回言って

ハッ!
私って、料理できないじゃん!みじん切りと千切りさえできないし…終わった。
一年生の子だって多分それくらいはできるはずよね。
う…家庭的な女子って素敵。彩もすごく料理上手で料理部に入ってるし。たまに作ったものをおすそ分けしてもらってるけど(小此木先輩と彩が付き合ってからはもらえてないけど)、全部頬っぺたが落ちるくらい美味しいし。
いっそ、彩に教えてもらう…のは、遅すぎる。
今更になって後悔することが多い‥。
私ができることってなくないか?洗濯物畳むのはいつも通りすぎ。
特別なこと、しなきゃ…!涼ちゃんが一年生の子に心変わりしてしまう!
うーむ…。
うーん…。
うー…。
家着いて、お風呂、勉強が終わったのに、全くアイディアは思い浮かばない。
それどころか、今頃涼ちゃんは…とか余計な妄想が頭をよぎって集中できない。
「ただいまー」
変わらない声。
何もなかったのかな?………だといいんだけど。
「涼ちゃん!!」
好き、好き、好き‥す、き…。
「す…す…っ」
階段を駆け下りて、玄関前まで来る。
涼ちゃんを目の前にして、言葉が出かかるけどやっぱり恥ずかしくて体温が上昇する。
「なに?す?」
「す…スルメイカ!た、食べたいなぁと思いまして」
「え?あ‥‥珍し。未桜がスルメイカって。初めて?どして、なんかあったの?」
「えっとー…広告っ。テレビの広告でやってて…それで」
「ふーん。スルメイカの広告って‥面白そーじゃん。よし、スルメイカね。了解。あったはずだよ、冷蔵庫に」
あるんかい…!