もう一回言って

涼ちゃんのキスが嫌なんじゃない。むしろ、幸せで泣きたいくらいだ。
だけど、ハルナ先輩と涼ちゃんが触れたっていうことが嫌。そのせいで涼ちゃんとのキスに集中できなくて、私がハルナ先輩の代わりのような気がした…。
もちろんそんなわけないって、違うってことはわかってる。涼ちゃんは私のことを好きでいてくれてる。それは涼ちゃんを見れば鈍くてバカな私でもわかる。
だからこそハルナ先輩に涼ちゃんが触れられたって思ったら耐えられない。
ずるいよね、私。前までは旭先輩が好き好き言ってたのに、ハルナ先輩に嫉妬して…。
「悪い。嫌だったよな」
「ぇ…ぇえんっ……」
「未桜のこと、キスで泣かせてばっかだな、俺」
「え?前のは違…っ!旭先輩のことで泣いただけで…」
「…我慢できなかった。未桜のこと俺泣かせないって決めたのに。ごめんな」
「違うってば!涼ちゃんのせいじゃないもん……。原因は涼ちゃんだけど、涼ちゃんのせいじゃない!ハルナ先輩に嫉妬して…っ」
私が手の甲で涙を拭いながら言うと、涼ちゃんは驚いたように目を丸くした。
「誰、それ…?その先輩のせいで泣いてんの?」
「え?涼ちゃんが、今日ハル先輩のとこに泊まるって涼ちゃんの部活仲間に聞いて、その…ハルナ先輩は周りの人からハルって呼ばれてるから…きっとハルナ先輩のとこに泊まるんだろうなって。ハルナ先輩は有名だから涼ちゃんでも知ってるだろうしと思って。それで‥大人っぽい女の人のハルナ先輩と二人って何が合ってもおかしくないよなってしんぱ…不安で、苦しくて泣いた…の」
こんなに心が汚い女無理って言われないかなぁ……。言われても仕方ないんだけどね‥。
ただ、私が涼ちゃんに自分の気持ち言ったのは涼ちゃんなら受け止めてくれるって思ったから。
「…その女の先輩の家で俺が泊まってるって思って嫉妬、したと」
「シット!?そ、そぅだけど…」
「そんなん可愛すぎじゃん。俺のために嫉妬してくれんの?うれしーよ。…でも、それは勘違い。俺、その先輩と泊まってなんかないししゃべったこともない。未桜以外の女子の家に泊まろうと思ったこともない」
!!?
「で、でもハル先輩って…。私が知ってる限り男子でもいないと思うけど…」