もう一回言って

なんて心臓に悪い…。眼鏡かけてておしゃれだし、胸が高鳴ってしまう。
はぁぁ…もう好きじゃないって思ってたんだけどなあ。
やっぱり、一年前の浮きはまだ完全に消せてなかったのかな…。
それでも‥今はもう伝えることはできない。トラウマがあるからじゃない。
旭先輩を困らせたくない。先輩には好きな子がいる。その子のために苦手な本を読むことだってしてるくらい本気なんだろう。それなのに、私が気持ちを伝えてしまえば、二度と先輩としゃべれなくなってしまうだろうし、先輩の好きな子に申し訳ない。
私、バカだな…ほんと、バカ。
元々先輩は私のこと好きじゃなかったのに。賭けの道具に使ってただけなのに。こんなにも、本気になるなんて。
「この本、借りようかな」
「はいっ。……できました!返却日は再来週です」
「ありがとう」
本を手に取って優しく微笑む先輩を見ると、自分も笑わなきゃって思う。
まだ、好きなんだなあ…先輩のこと。