1日限定の恋人〜一夜を共にした相手は昔好きだった同級生のCEOでした〜

〜悠人side〜


 「あ、朝霧くんだー‼︎久しぶりー⁉︎私の事覚えてる⁇小谷野葉月《こやのはづき》でーす‼︎相変わらずイッケメーン‼︎いい男⁉︎」

 高校の時の同窓会に途中参加した俺は、既に沢山お酒んでいた小谷野葉月に対面早々絡まれ、その荒れように驚いた‼︎

 高校の時の小谷野は美人で真面目で何にでも一生懸命な優等生タイプの子だった‼︎

 なのに7年ぶりに会った小谷野は彼氏に振られて職も失うと言って荒れていて、高校の時の真面目一徹な小谷野とはまるで違い、自暴自棄な姿に驚き、放って置けなかった…

 昔からモテていたせいで女の子は寄ってきたけど、大して真面目に付き合わず、いつも付き合ってもすぐ別れ、その勝手な振る舞いからいつしか俺には俺様王子という仇名まで付いていた…

 小谷野は真面目で優しくて、遠慮深くて、何でも人に譲ってしまうお人よしな所があった…

 小谷野を見てるとイライラする…
それが小谷野に対する俺の第一印象だった…

 あーあ、また人に譲ってるし…
 また自分の番なのに人に抜かされてるし…
気付くと俺は小谷野の事ばっかり見ていた…

 それが好きという感情なのか、恋なのかは分からないけど、俺の中で小谷野は何となく目が離せない、放って置けない存在だった…

 「朝霧くんて実は優しいよね」
 高校三年生の時満面の笑みでそう言われて、ドキリとした事を今でも忘れられない…

 「は?別に優しくないし…」

 「だって今だってこうして私の落としたテキスト一緒に拾ってくれてるし‼︎」

 俺はただ先生に用押し付けられて危なっかしいなと思って見てたら、案の定テキスト落としてバラバラにしてるから、仕方なく一緒に拾ってるってだけで、別に優しさとかじゃないし…

 「何でも用押し付けられてんなよ‼︎小谷野見てるとイライラする…」

 素直じゃない俺はそんな言い方しかできなくて、ぶっきらぼうに突き放す様な言い方をしてしまった…

 「ハハ‼︎私そそっかしいから、早くしてよとか、イライラするとか良く言われんだよね」
 そそっかしくてごめんね…
 小谷野はそう言ってまたヘラヘラ笑っている

 こんな言い方されてるんだから少しは言い返したりムカつけばいいのに、何でいつも穏やかに笑ってるんだよ…
 俺には正直理解できなかった…

 「へらへら笑ってんなよ…」

 そう表では素直じゃない言い方をしながら、俺はそんな小谷野が気になって、いつしか恋心を募らせていった…

 でも結局気持ちを打ち明けられなくて、高校を卒業し、別々の進路に別れ、それから数年小谷野に会う事はなかった…