偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

……彼は最初から変わった人だったし、理解しようとしても多分、無理だと思う。

リップサービス程度に受け止めておこう。

朝凪駅の改札口で手を離した桐谷君。


「じゃあ、明日、9時に白金森駅ね」

「わかった」

「慌てなくていいから。気を付けておいでね」

「うん、また明日」


そう言って手を振ると、桐谷君も手を振って改札口を抜ける私を見送ってくれる。

桐谷君は私がホームに降りるまで、改札口前で手を振り続けてくれる。

悪いから、足早にホームに降りるけど。

ちなみに、契約成立した日に桐谷君から自宅の最寄り駅を聞かれた。

だから、私の最寄り駅が白金森駅だっていう事を桐谷君は知っている。

登下校は朝凪駅の改札から始まって改札で終わるし、桐谷君はいつもここで待っていてくれるから、私はこの駅が彼の自宅の最寄り駅だと思っていて、家の場所まで聞いていない。