偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件


「歩きにくくて……」

「えー、慣れるよ、慣れ」

「昨日から、全部、慣れって言われてるような……?」

「そりゃそうでしょうよ。俺が初めての彼氏なんだから、全部やりにくいって当たり前でしょ?だから……ね、ゆっくり慣れていきましょうって話だよ」


そう言って桐谷君は私の肩から手を離し、差し出した。


「ハードル高いなら、まずは手を繋ぐ事が習慣化するように、いきますか」

「……助かります」


差し出された手に自分の手を重ねると、さっきのように指をからめてギュッと繋がれる。

恋愛に関しては完全に素人、初心者の私。

……桐谷君は、たくさんの経験があるんだろうなぁ。

そうじゃなきゃ、こんなに女の子の扱い方、上手くないでしょ。


「……」


少しだけ心の中がモヤッとしたのは何でだろう……。

多分、経験値は対等じゃないからっていう事なんだと思うけど。