偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

「雫、ゴメン。俺、雫の事、恋愛対象で見た事ないし、友達以上に見れるわけないじゃん」

「雫の、私も好きでした……って言った顔、マジで面白かった。そんなガラじゃねぇのに」

「ガチすぎてツボった」


横川を含め、口々に言う三人。

……好きでしたって、告白するガラじゃないってどういう事?

悲しいを通り越して、ただ虚しさだけがこみ上げてきて、涙も出なかった。

……この人たちは、人の気持ちを賭けの対象にして、こんなにも下品な笑い声を上げて楽しんでいる。

自分がそんな人を好きになっただなんて、見る目なさ過ぎて情けない。

一秒でも同じ空気を吸っていたくなくて、私は視聴覚室の出口に向かう。


「おい雫、怒った?マジで?ただの冗談じゃん」

「冗談通じないとか、マジでダサいわ」


ゲラゲラと追い打ちをかけるように笑う横川たちを無視して、視聴覚室を逃げるように飛び出した。