偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

「そんなに難しい条件じゃないから、安心してよ」

「……で、何?」

「一日一回は、画像送り合おうよ」

「ええ……自撮り画像?嫌なんだけど……」


顔をしかめながら言うと、桐谷君は噴き出した。


「いやいやいや、自撮りでもいいけど、自撮りじゃなくてもいいよ」

「どういう事?」

「……共有したいんだ。雫が綺麗だと思った風景とか、美味しかった食べ物とか。俺としては自撮りは嬉しいけれど、自撮りじゃなくて全然いいよ。俺も雫と共有したいと思った物を写真とって送るから」


写真を共有……。

そんな事、考えた事もなかった。

今まで、自己満足で写真を撮って、誰にも見せる事無く保存してきたけれど、そんな私と共有したいとか。

他の条件と比べて、ちょっと素敵な条件かもしれない。


「うん、わかった」

「よし、じゃあ今日からよろしくね」


桐谷君がスマホを振りながら微笑んだ。