偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

自分が傷ついたからって、全く関係のない人を傷つけるのは間違っているとは思うけど。

……ただ、もう本当に、関わりたくないんだ、男の子とは。


「栗原さん?」

「……ああ、ごめん。ちょっと考え事してた」


桐谷君に肩をたたかれて、ハッと我に返る。

彼はなぜかニコニコと笑顔のまま。


「大丈夫?」

「大丈夫……」

「そっか。我慢しないでこれからは何でも言ってよね?……で、他には?」

「他……キスとかなし。手繋ぐくらいはいいけど、それも状況による」

「了解。でも、キスは必要になったらその時考えよ?」

「ならない。絶対にならない」


私の反応を見て、不満そうに


「ええ~!」


と、大きな声をあげた。

私はすかさず、シッと人差し指を口に当てる。


「少しは、希望を持たせてよ~」

「何の希望?偽物に必要ないじゃない」

「そんなのわかんないじゃんー」

「とにかく、なし」


納得いかない表情で、仕方なく頷く桐谷君。