偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

その様子を見て、私は安心してホッとため息をついた。

良かった。

この人は、男の子の中でも良い人に分類されるかもしれない。


「じゃあ、これから偽カノ契約するにあたっての条件ね」

「うん、どうぞ」

「まず、人前では恋人らしくしてもいいけど、二人きりの時は普通でいること」

「二人きりって今みたいな時だよね?うん、了解。でも少しでも人が来たらすぐ恋人モードに切り替えるよ?」


切り替えるって……。

ツッコみたくなったけれど、とりあえず我慢。


「期限は卒業まで。ダラダラ続けたくない」

「あー、期限付きか。でも、同じ進路だったらどうするの?」

「流石にまだ進路の事は考えてないし、何とも言えないけど」

「なるほどね。じゃあ、一旦、了解」

「お互い本気にならないこと。演技だって忘れない」


私が言うと、桐谷君がなぜかニヤリと笑う。


「……それ、大丈夫?」

「は?」