偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

その人は男の人で、割と爽やかな顔立ちをしている。

……差出人の名前なんだっけ?

思えば、私、相手の顔を知らないんだけど……。

この人じゃなかったら、別の場所にいるって事なのかな?

私の気配に気づいたのか、不意に彼が顔を上げた。


「あ!栗原さん!来てくれたんだね?!」


目が合って、パッと嬉しそうな表情を見せて、スマホをズボンのポケットにしまう。

やっぱり、この方が手紙の差出人らしい。

私は会釈して口を開く。


「ご用件は?」

「……あ、俺はサッカー部三年の荒巻と言います」


ああ、そうそう、荒巻さん。

荒巻さんは何かを言いにくそうな表情で頭をかきながら私を見つめる。


「あの……急で驚くかと思いますが、俺は、栗原さんの事が好きです。付き合ってください」


……やっぱり告白だった。