偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

提案が提案なだけに、しつこく来るかと思ったけど、一切来なかった。

変な提案だったけど、本当に人を不愉快にさせない人なんだなと感じた。

だからきっと、めんどくさいと思わなくてもいい相手と巡り合えるだろうね。


「はあ……」

「また呼び出されたの?無視したら?」


机に突っ伏してため息をつくと、羽菜が言う。

体育の授業から帰ってきて、次の授業の準備をしようと机の中からテキストを出したら手紙が入っていた。

放課後に図書室に来てくださいとあった。


「差出人は……サッカー部の三年生、荒巻(あらまき)……って、プロから声かかってるサッカー部のエースだよ?」

「……羽菜は詳しいね」

「そりゃそうでしょ。イケメンはちゃんとチェックしておかないと」


そう言って、羽菜はリングノートを取り出した。