偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

「本の返却日はお守りくださいね。返却日過ぎると大迷惑なんで」

「ああ……うん」


彼に返却日を守るよう念を押して、私は本を抱えて棚に戻しに行く。

……とりあえず、良かった。

神聖な図書室が汚される事がなかったのが。

私は背表紙の番号を確認しながら、一冊ずつ本棚に戻していく。

……めんどくさいか。

さっきも思ったけど、彼は誰にでも笑顔と優しさを振りまいている。

そりゃ、好意を持つ女の子がたくさんいるのは仕方ないんじゃないの?

めんどくさければ、さっきみたいに無表情でいればいいのに。

……まあ、キラキラ君の場合、無表情でもやっぱりキラキラはダダ洩れだから、結果は同じだったかもしれないけど。

生まれながらのイケメンって大変なんだな。

本を全て本棚に戻し終えて、深呼吸をした。

ちょうど、17時を告げるチャイムが鳴った。

図書委員の仕事もおしまい。


「さて、帰ろうかな」


呟いて、私はカウンターに戻り、忘れ物がないか確認をして帰り支度をし、図書室を後にした。