お抹茶王子にキョーミないですっ!

 そして30分後。

「あれ、まだ誰もいないよ?」

 さっきよりもずいぶん静かになった校舎。茶道部の部室はなにも変わっていなかった。


「おかしいねぇ。龍崎先輩今日は自主練来ないのかな? ほぼ毎日いる、って言ってなかった?」

「うん……」と答えつつマヨと並んでわたしもドアの小窓から部室内を覗いた。


 変わらない畳、机、茶器などの道具。お茶を点てる先輩の横顔を思い出して、チクリと胸が痛んだ。


 ああ、会いたいな。
 会いたい。すごく会いたい。
 もはや『会いたい』っていうより、これは。


 『恋しい』


 それだ。そのほうがピッタリはまる。

 だけど……『恋』? えっと……。ええ?