お抹茶王子にキョーミないですっ!

「な、なに言ってるんですか!?」

「好きなんだもん」


 額をさすりながら、少し頬を赤くしつつまたまっすぐこちらを見て言う。


「ホクロが同じで……運命だと思った。それで恋をしたんだ。初恋を。会えなくなってからもずっと会いたいと願い続けていた。そんな相手と再会できて、本当に嬉しくて。成長したスズちゃんを僕はまた好きになった。さっき、車に跳ねられそうになったのを見て、心が潰れそうになってもう確信した」

「そ、そそ、そんな」

 これって、こ、ここ、告白!?


「スズちゃんが僕を避けてることは感じていた。迷惑をかけるつもりはないんだ。それに、僕はこんな…………気味の悪い格好をさせられている」

 嫌われても仕方ないと思ってる。脱ぎ捨てた着物を見下ろすようにしながらそう言って、先輩は俯いた。


「……気味が悪いとは、わたしは思わないですよ」


 たしかに顔と声はミスマッチだと思った。でも気味が悪いとまでは思わなかった。


「見とれるくらい、綺麗でした。先輩は、お菊ちゃんはいつだって素敵です」


「スズちゃん……」


 ガラ、と部屋の戸が勢いよく開けられたのはその時だった。

 え、鍵は……!?


「西尾さんに迷惑をかけるつもりがないのなら、さっきの発言は取り消して。そうすれば今回だけは特別に見逃しましょう。千菊くん」

 まっすぐに龍崎先輩を見つめるさつき先輩のその目は、怒りに満ちた赤い光を宿しているかのようだった。