お抹茶王子にキョーミないですっ!

「なにをしているの、と尋ねています」


 その声は怒りに震えていて、わたしも恐怖に震え上がった。

 ひいいいい! お、オタスケヲヲヲ!


「お、おお、降ろしてくださいっ、先輩!」


 もう強引にその胸を押して離してもらった。地面に右足がつくと途端にズキン、と激しく痛んで呻きたいくらいだったけど言ってもいられない。


 先輩はマサミ先生と向き合って、自ら程よい距離まで歩みを進めた。


「はー。……こんな強い日差しの中、傘もなく肌を晒して。上等なお着物まで汗に汚して。千菊さん。あなた一体どういうおつもり?」

 ん。ええっと……先生? 一体なにに怒ってます? てっきり彩音ちゃんを連れ回したことを怒ったのかと思ったのに。


「西尾さんが怪我をしてしまったので。部長として介抱せねばと」「おだまりなさい!」


 ぱぁん、と乾いた音が響いた。


 え……えええっ!?

 びっくり。それはマサミ先生が、龍崎先輩の頬を思いっきり叩いた音だった。