お抹茶王子にキョーミないですっ!

 ええと。歩けなくなってしまったわたしはなんと現在、龍崎先輩に……お姫様抱っこをされておりますひいいいいいい!


「スズちゃん。旅館まで送りたいけど、僕はこちらの彩音(あやね)嬢と行動を共にしなくてはならないんだ」

 そう言う龍崎先輩に当然「わかりました! 大丈夫、なんとか自力で帰ります」と拳を作ってこくこく頷いたのだけど、「そうはさせられないよ」と作った拳を抑えられた。

 はひ……?


 そうして、今の格好に至る。

 周りから見たら美しい着物姿の女性が制服姿のチンチクリンの女の子をお姫様抱っこしてる図になる。しかも小学生を連れて。

 なにそれ、意味不明すぎるよ?


「お、重くないですか……?」

 お昼食べすぎたしな、と反省しきりだった。


「軽いよ。全然余裕」

 先輩は『お菊ちゃん』の顔なのにたくましく微笑んだ。


 京都の夏空をバックに見るその絶景を前に、わたしは【美しさは性別を超える】という名言を胸に刻んだ。