お抹茶王子にキョーミないですっ!

「スーズ! 決まった?」

 店内にいたマヨが現れた。わたしは心臓がバクバク鳴っていて、全身から変な汗が止まらない。


「あ、あのねマヨ」

 着物で歩くあの速さなら、走ればすぐに追いつける。


「えっと……なんというか」

「なに、どうした? っていうか顔赤いよ? スズもしかして熱中症?」

「や……ごめん、元気っ! あー、えっと、あのその、お、お姉ちゃんが! 生き別れのお姉ちゃんがいて。そこに!」

「はあ?」

「わ、わかんないけど、いたの。だからわたしちょっと、行かないと! ごめん! ほんと。ゆっ、夕方にはちゃんと旅館に戻るからっ! ごめんっ」


 こんなこと自分がするなんて自分でもびっくりだよ。でもなぜか龍崎先輩を放っておけなかったんだ。

 お菊ちゃんを、放っておけなかったんだ。